山羊文台付鉢
やぎもん だいつきはちシアルクⅢ中期 紀元前4千年紀後半
テペ・シアルク
高: 18.8㎝ 径: 14.7㎝
高田早苗氏寄贈(登録番号02357)
砂粒を含む淡褐色の胎に微かに黄みを帯びた化粧土をかけ、黒色の顔料で文様を描いた台付鉢です。鉢と台は別作りしたものを接合して成形しています。器表の3箇所に大きな角を持つ様式化された山羊の姿を描き、その間を各種の格子文を組み合わせた文様帯で区切っています。イラン高原の標準遺跡であるカーシャーン近郊のテペ・シアルク遺跡Ⅲ期の層から類例が数点出土しています。描かれた山羊の姿はいずれも本器と共通していますが、角の形には波形、弧形などのバリエーションがあります。シアルクⅢ期は前、中、後期に細分され、台付鉢のうち本器のように化粧がけをしたものは、中期の紀元前4千年紀後半に編年されています。