特集展「中国のやきもの―明器の美」

概要

明器(めいき)とは墓に副葬されるためにつくられた専用の器物です。「事死如事生(死に事(つか)うること生に事(つか)うるごとし)」(『礼記』中庸篇)という言葉からもうかがえるように、死後もあの世で生前同様の暮らしをすると考えた古代中国の権力者や富裕層は、しばしば豪華な墓を築造するとともに、墓の中には様々な日常生活器や邸宅などの建築模型、侍者や下僕などの人物模型、家畜などの動物模型などをつくり、それらを墓に副葬しました。そのうち人物模型は「俑(よう)」と呼ばれており、有名な秦始皇帝陵の兵馬俑はその代表といえます。
高価な青銅器や玉、金銀器などの製品の代替品として、陶磁器や石、木などによる明器も数多くつくられました。なかでも比較的量産が可能な陶磁器は明器に適した素材といえ、陶磁器製明器は各時代各地域でつくられていたことがこれまでの考古学的発見から分かっています。中国陶磁の歴史において明器は重要なジャンルの一つなのです。

  金属器や漆器などに比べ、地中での材質劣化の比較的少ない陶磁器製の明器は、発見時の保存状態が良いものも多く、当時の生活様式のみならず陶磁器生産技術の様相を示す貴重な資料であり、また当時の人々の美意識や死後の世界観などもうかがい知ることができます。明器はさながら地中の「タイムカプセル」といえるでしょう。

 

開催要項

名称:
特集展「中国のやきもの―明器の美」
会期:
平成21年1月10日(土)~3月22日(日)
開館時間:
午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)
休館日:
月曜日(ただし1/12は開館)、1/13(火)、2/12(木)
主催:
大阪市立東洋陶磁美術館 朝日新聞社
共催:
株式会社大伸社
料金:
一般 800円(650円)/高校・大学生 500円(350円)

※( )内は20人以上の団体料金
※身体障害者手帳、ツルのマーク付健康手帳、大阪市敬老優待乗車証などを お持ちの方、中学生以下は観覧料が無料になります。

同時開催:
特別展「濱田庄司/HAMADA SHOJI-堀尾幹雄コレクション」

平常展 安宅コレクション中国・韓国陶磁、李秉昌コレクション韓国陶磁、日本陶磁、沖正一郎コレクション鼻煙壺

問い合せ:
大阪市立東洋陶磁美術館
TEL.06-6223-0055  FAX.06-6223-0057

※日曜日・祝日 午前10時から午後4時の間、中ノ島公園内は車輌進入禁止となります。

主な出品作品

加彩騎馬女俑

かさいきばじょよう

唐時代・8世紀前半
h:37.0cm
Acc.No.10698
8世紀前半の盛唐期になると、西域趣味、すなわち「胡風(こふう)」の隆盛により、女性が胡服(こふく)を着たり、あるいは騎馬することが流行しました。丸く大きな髪型は当時流行したもので、ふくよかな顔立ちとともに、いわゆる「樹下美人」式の女性像の初期様相を示します。柔らかさと厳しさのバランスのとれた人物や馬の造形感覚は、西安で発見された開元12年(724)の金郷県主墓の作例に近く、ほぼ同時期のものと考えられます