「韓国陶磁の美」

概要

本展では、三国時代から朝鮮時代末期までの作品21点を展示します。灰陶からはじまって青磁、白磁、粉青などがあり、器形も変化に富んでいます。また文様も草花文や動物文などが展開し、韓国陶磁の魅力を網羅しています。このなかには、世界で2点しか確認されていない18世紀前半の著名な「青花面取壺」(浅川巧旧蔵)も一点含まれています。 日本では、古代においてすでに朝鮮半島の南部から須恵器の技術を受容していますが、これは、丈夫な実用の器として受け入れたものでした。それにたいして 16世紀後半の安土桃山時代には、茶人たちが高麗茶碗を「発見」し、その質素なたたずまいにつよく惹きつけられます。
近代に入ると、大正から昭和の前期にかけて、朝鮮時代の陶磁のブームが起こります。実用的なやきものでありながら、いささかゆがんではいても素直で温かなその姿、庶民的な生き生きとしたその文様が、あらたに多くの人々を虜にしました。その先駆者の一人が、民芸運動の提唱者として名高い柳宗悦です。彼は、そのころまだ一般には評価の低かった朝鮮時代の陶磁に、この時はじめて芸術的な価値を認めたのでした。 今回の展示は、すべて当館へのご寄贈品によって構成されています。そのひとつひとつに、韓国のやきものに魅了された人々の思いが込められ、さらに当館に対するご好意が現われていると言ってよいでしょう。本展を通して、みなさんもそれぞれに韓国陶磁の魅力を発見されることを願ってやみません。

開催要項

展示点数:
21点
会  期:
平成20年10月11日(土)〜12月26日(金)
同時開催:

企画展「酒器に酔う − 東アジアの酒文化」
平常展 安宅コレクション中国・韓国陶磁、李秉昌コレクション韓国陶磁、日本陶磁、沖正一郎コレクション鼻煙壺

主な出品作品

粉青印花象嵌 草花文 碗

粉青印花象嵌 草花文 碗
朝鮮時代・15世紀
高さ7.7㎝
Acc.No.22205
端反鉢は15〜16世紀の粉青や白磁によく見られる器形です。見込みに線象嵌で茎をあらわし、印花によって仙人草のような草花文を添えています。碗に線文と印花を併用する例は珍しく、貴重な作例です。また外面の高台周囲にめぐらせている大菊花文も見どころです。釉はよく溶けて光沢があり、最盛期の印花粉青の好例と言えます。

青花 窓絵草花文 面取壺

青花 窓絵草花文 面取壺
朝鮮時代・18世紀前半
高さ24.7cm
Acc.No.21503
日本では「秋草手」と呼び、朝鮮青花の名品として愛好家から親しまれています。世界的にみても青花面取壺は当館所蔵の2点しか確認されておらず、また浅川巧の旧蔵品としても名高い貴重な作例です。胴と高台にへらを入れて面取りをし、四面にはそれぞれ仙人草・よめな・蘭・石竹が描かれています。京畿道広州金沙里窯址の製品と見られます。

瑠璃地 角瓶

瑠璃地 角瓶
朝鮮時代・19世紀
高さ16.0㎝ 
Acc.No.22263
朝鮮時代・19世紀 高さ16.0㎝ Acc.No.22263 白磁の素地に筆や刷毛でコバルト顔料を塗り、その上から透明釉をかけて焼成したものです。その塗り方が粗雑なようでいて、一定の装飾効果を表すのが瑠璃地技法の作品の魅力です。とくにこの角瓶は瑠璃の発色、器形ともにすぐれ、瑠璃釉の代表作のひとつとして知られています。板作りの技法ですが、肩に削りの斜角を残すなど、無駄のないシャープな造形です。京畿道広州分院里窯の製品です。

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