「酒器に酔う—東アジアの酒文化」
概要
「酒は天の美禄」と讃(たた)えられたように、古来より東アジアで独自の酒文化が育まれてきました。酒文化の発展とともに、酒に関する器、すなわち酒器も、中国、韓国、日本それぞれに独自の発達を遂げました。一口に酒器といってもその材質、用途、形状はさまざまで、甕、壺、徳利、杯など、さまざまに趣向をこらした器が各時代、各地域でつくられました。なかでも、やきものの酒器は、現代にいたるまで東アジアのやきものの歴史において主要なジャンルの一つとなっています。
本展では館蔵品を中心に中国、韓国、日本のやきものの酒器約30点(重要文化財1点含む)を選び、東アジアの酒器の魅力を紹介します。さらに、本展に併せて、館蔵品の平常展においても数多くのやきものの酒器を展示します。 美術館で酒器の美に酔いしれてみてはいかがでしょうか。
開催要項
- 展示点数:
- 約30点
- 会 期:
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平成20年10月11日(土)〜12月26日(金)
- 同時開催:
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特集展「韓国陶磁の美」
安宅コレクション中国・韓国陶磁、李秉昌コレクション韓国陶磁、日本陶磁、沖正一郎コレクション鼻煙壺(新設専用展示室にて)
出品リスト
主な出品作品
重要文化財
五彩金襴手 花鳥文 瓢形瓶
ごさいきんらんで かちょうもん ひょうけいへい
景徳鎮窯
明時代・16世紀
h:55.8㎝
個人蔵
金襴手とは五彩(色絵)磁器に金彩を焼き付ける技法とその作品に対する日本独自の呼称です。もともと明時代の嘉靖年間に景徳鎮の民窯でつくられ、日本にもたらされた作品を金襴手と呼んでいました。織物の金襴に由来する名称といわれています。日本には金襴手の優品が数多く伝世していますが、この作品は金襴手の瓢形瓶としては最大級のもので、さらにその華麗で精緻な文様表現など金襴手中の名品の一つです。胴下部には孔雀、鹿、鶴などの吉祥の鳥や動物が対で描かれています。瓢箪は仙人のシンボルの一つでもあり、この中に入れた酒はさぞかし美味であったことでしょう。
青磁鉄地象嵌 詩銘 瓶
せいじてつじぞうがん しめい へい
高麗時代・13世紀
h:30.0㎝
Acc.No.21388(李秉昌氏寄贈)
素焼後に鉄泥を塗り、青磁釉を描けて焼いたものです。前後両面には象嵌技法により次のような詩が表されています。「酒為温無毒(酒は温めると無毒となり)/茶因冷不香(茶は冷めると香らない)/此酒不可不飲(この酒を飲まずにいられようか)/佳人才子刹逢(佳人[美しい女性]と才子[才知の優れた男性]の短い逢瀬に)」。酒と茶は熱いのが良いように、男女の恋愛も燃えるように熱くということでしょうか?お酒はその演出の良きパートナーとなるのは昔も今も同じといえます。
色絵 秋草文 徳利
いろえ あきくさもん とっくり
京焼・古清水(「岩倉」印)
江戸時代・17世紀
h:24.2㎝
Acc.No.31344
古清水とは、仁清によって完成された江戸時代の京焼色絵陶器の総称です。緑を基調にさらに青、赤などによる色絵と金彩で、菊などの草花文が伸びやかに表現されています。底部には「岩倉」銘の小判形印が見られます。同一銘のある陶片が京都御苑(公家町遺跡)の17世紀後半の遺跡から出土しており、この作品もその時期のものと考えられます。
澱青釉紅斑 杯
でんせいゆうこうはん はい
鈞窯
金時代・12〜13世紀br />
d:9.0㎝
Acc.No.10646(住友グループ寄贈)
鈞窯は宋時代に始まります。青みを帯びた失透性の釉に銅呈色の紅紫の斑文が入った碗です。このような釉を澱青釉と呼んでいます。抽象的な文様がその特色です。鈞窯の窯は河南省の禹(う)県(けん)が中心ですが、華北の各地の窯でも焼成されています。
