「天にささげる器 − 朝鮮時代の祭器 − 」
概要
朝鮮時代(1392〜1910)は、儒教を国の基本理念とし、王家から民間にいたるまで各種の祭祀が催されました。祭祀では五穀や肉、果物などを供えますが、その器として特殊な姿をした陶磁器が用いられました。これを「祭器(さいき)」と呼んでいます。15世紀当初は古代中国の青銅器を丁寧にかたどった祭器が登場しますが、16世紀になると細部の省略が始まり、大胆でユニークな姿になっていきます。18世紀には、青銅器形の祭器は息をひそめ、かわって日常の皿や碗に高い脚をつけた、より親しみやすい形へと変化をとげていきます。これら朝鮮時代の祭器の見どころは、なんといっても中国の祭器にはないユニークな装飾や形にあります。そのユニークな姿ゆえに、我が国では茶会用の茶碗としても取り上げられました。本展では時代による祭器の変化をたどりつつ、その形の面白さを味わっていただきます。
開催要項
- 展示点数:
- 約20点
- 会 期:
- 平成20年4月1日(火)〜7月3日(木)
- 同時開催:
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特集展「高田コレクション 古代イランの造形 − 土器と青銅器」
平常展 安宅コレクション中国・韓国陶磁、李秉昌コレクション韓国陶磁、日本陶磁
主な出品作品
粉青粉引簠
ふんせいこひき ほ
朝鮮時代・16世紀後半
高13.6㎝
Acc.No.20109(住友グループ寄贈)
簠(ほ)と呼ばれる祭器の蓋を形づくったものです。もとの形の複雑な装飾を省略し、四方に鋸歯のような形の装飾をあしらうのみとしています。文様もなく、白土を溶いた液に器をひたし、全面を白色とし、いかにも祭器らしい清潔な趣となっています。
粉青白地象嵌条線文簠
ふんせいしろじぞうがん じょうせんもん ほ
朝鮮時代・15世紀後半〜16世紀前半
高16.2㎝
Acc.No.20219(住友グループ寄贈)
簠(ほ)と呼ばれる祭器の身を形づくったものです。もとの青銅器にある雷文を大きく拡大し、まるで現代絵画のように装飾しています。また形もどっしりと力強いものとなっています。こうした文様や形の大胆なデフォルメは、朝鮮時代の祭器の最大の特色といえます。
青花蓮池文角皿
せいか れんちもん かくざら
朝鮮時代・19世紀
幅25.4㎝×奥行き19.1㎝
Acc.No.21437(李秉昌氏寄贈)
方形をなす形の祭器は、餅を供えるための台とされます。上面に描かれた蓮花や岸辺の花は、現実にはありえないほど拡大され、おごそかな祭器とは対照的に、明るく生命感にあふれた表現となっています。このように朝鮮末期になると、祭器にもしだいに華やかな文様がほどこされるようになりました。
