「美の求道者・安宅英一(あたかえいいち)の眼 − 安宅コレクション」

概要

安宅コレクションは、大阪市立東洋陶磁美術館の中核をなす韓国・中国陶磁のコレクションであり、東洋陶磁のコレクションとして世界第一級の質と量を誇ります。この安宅コレクションが住友グループ21社から大阪市に寄贈され、当館がその収蔵・展示施設として昭和57年に開館してから本年で25年目となります。
安宅コレクションとは、かつての安宅産業株式会社が収集した美術品コレクションで、韓国・中国を主体とする陶磁器のコレクションがその中心でした。この安宅コレクション形成にあたって指導的役割を担ったのが元取締役会長・故安宅英一氏(1901-94)です。安宅コレクションは、安宅英一氏の研ぎ澄まされた鑑識眼と自らの美的価値観に対する妥協のない完璧主義によって生まれたコレクションであり、氏なくして安宅コレクションは築かれなかったでしょう。安宅英一氏は美術のみならず音楽にも造詣が深く、戦前から日本の音楽界におけるパトロン的存在として多大な功績を残しました。美の真髄を全身全霊の真摯さで求め続けた安宅英一氏の姿はまさに“美の求道者”と呼ぶにふさわしいものでした。安宅コレクションは、安宅英一氏が提示した一つの美の価値基準ともいうことができます。
この特別展では、本館が所蔵する飛青磁花生(とびせいじはないけ)、油滴天目茶碗(ゆてきてんもくちゃわん)の2点の国宝をはじめ、青花蓮池魚藻文壺(せいかれんちぎょそうもんつぼ)など12点の重要文化財や、青磁象嵌牡丹文鶴首瓶(せいじぞうがんぼたんもんかくしゅへい)などの初公開作品、関連作品などを紹介しながら、かつてない規模と内容によって、安宅コレクションの形成過程とともに、同コレクションの生みの親である「美の求道者・安宅英一の眼」にせまります。

開催要項

展示点数:
約200点
開催期間:
平成19年4月7日(土)〜9月30日(日)
同時開催:

常設展「東洋陶磁の展開」 出品リストPDF(99KB)
(李秉昌(イ ビョンチャン)コレクション韓国陶磁、日本陶磁約30点)

出品リスト

出品リストPDF(680KB)
特別展出品リスト(55KB)

主な出品作品

国宝・飛青磁花生

国宝・飛青磁花生
龍泉窯
元時代・13〜14世紀
高27.4㎝
器の表面に鉄斑を散らし、その上から青磁釉をかけて焼いたものです。釉表に滲み出た鉄斑が、空に浮かぶ雲のように見えることからその名がついたとも言われます。元時代の龍泉窯で盛んに行われました。なかでも本作品は、器形、釉色、鉄斑の現れ方などすべてにおいて優れており、飛青磁中、最高のものとされます。大阪・鴻池家の伝来品です。

国宝・油滴天目茶碗

国宝・油滴天目茶碗
建窯
南宋時代・12〜13世紀
径12.2.㎝br /> 黒釉の表面に無数の斑点がきらめく様子が、水面に広がる油の滴のようで、油滴の名で呼ばれています。福建省・建窯の産ですが、日本に多く伝世例があります。本作品はそのなかでも、器形、釉調などが特に優れたものです。関白秀次が所持していたことでも知られています。

青花辰砂蓮花文壺

青花辰砂蓮花文壺
朝鮮時代・18世紀
高44.6㎝
大型の壺の中央に余白をたっぷりととって、蓮花と荷葉を描いています。蓮花は、部分的に緑色に窯変していますが、それが幻想的な雰囲気を醸し出しています。文様の見事な配置、丁寧な筆遣いなどから、名のある画員の描いた官窯の製品とも考えられます。著名な陶磁研究家・淺川伯教氏の旧蔵品として知られています。

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