「梅瓶(メイピン)− 高麗と日本のかけ橋 − 」
概要
やきものの酒の器は、時代や地域によって様々な形につくられます。「梅瓶(メイピン)」は中国や韓国、またわが国で、かつて酒の器としてつくられた瓶でした。その姿は口が小さく、胴はS字状のシルエットをえがきます。「梅瓶」という独特の呼び名は、こうした形が梅のやせほそった幹に似ていることにちなんだ、ともされています。
韓国では、高麗(こうらい)時代(918〜1392年)を中心に梅瓶が数多くつくられましたが、その姿や文様の美しさゆえに中国やわが国にも高級品としてもたらされました。最近、こうした高麗青磁の梅瓶がここ大阪とも深いつながりをもつことがわかってきました。
当館から天満(造幣局付近)にかけての地域は、かつて「渡辺津(わたなべのつ)」と呼ばれ、平安時代から鎌倉時代にかけて瀬戸内最大級の港がおかれました。天満本願寺(てんまほんがんじ)跡遺跡(大阪市北区天満1丁目)からは、13世紀頃の高麗青磁の梅瓶片が出土し、はるか昔の両国の交流を今に伝えるものとなっています。
本展では、天満本願寺跡遺跡出土の梅瓶片(財団法人大阪市文化財協会所蔵)をはじめとし、館蔵品を中心に約20点を展示し、中世の日韓両国の人々を魅了した高麗陶磁の梅瓶の魅力にせまります。
開催要項
- 展示点数:
- 20点
- 開催期間:
-
平成18年8月2日(水)〜平成19年1月28日(日)
- 同時開催:
-
特集展 受贈記念「人間国宝 清水卯一の陶芸」
常設展「東洋陶磁の展開」
主な出品作品
青磁象嵌雲鶴文梅瓶
せいじぞうがん うんかくもん めいぴん
高麗時代・12世紀
高30.0㎝
Acc.No.20767(住友グループ寄贈)
青い空にのんびりと雲と鶴が浮かぶ文様をあらわした作品です。梅瓶には雲と鶴をあらわす作品が数多く伝わっていますが、このように鶴と雲がバランスのとれた構図をとる例は貴重です。日本では、こうした雲鶴文の梅瓶が大阪や鎌倉などの都市部の遺跡から出土しています。
青磁象嵌牡丹唐草文梅瓶
せいじぞうがん ぼたんからくさもん めいぴん
高麗時代・12世紀
高33.9cm
Acc.No.21491(安宅昭弥氏寄贈)
戦前から知られる高麗青磁梅瓶の名品のひとつです。白色の地に青色の牡丹唐草が全体に大きくあらわされています。このように白色の地に青色の文様が浮き上がる装飾の梅瓶はたいへんめずらしく、おもに高麗の王家や寺院などで使われたようです。
青磁鉄絵葉文梅瓶
せいじてつえ ようもん めいぴん
高麗時代・12世紀
高27.2cm
Acc.No.20438(住友グループ寄贈)
黒色に発色する顔料で植物の葉が描かれていますが、モダンなデザインとなっています。このように黒色の文様を描く青磁を「鉄絵青磁(てつえせいじ)」と呼びますが、おもに庶民にむけてつくられたとされています。鉄絵青磁は、日本では九州から東北地方にかけての広い範囲で出土しています。
